ユラノト好走からみえるキングカメハメハ産駒の特徴(フェブラリーステークス回顧)
今年最初の中央G1・フェブラリーステークスが終わった。
本命は2番人気のゴールドドリームで結果は2着。
馬体も戻して状態も良かったのだが、パワー型の当馬には不向きのスローペースで、逃げるインティを捉えきれなかった。
それでも出走馬中断トツの上がり34.8秒の末脚を繰り出し2着。
もう少しでもゴールドドリームに向いたペースなら圧勝しただろう。
ただ、結果的には人気の1頭が人気通りに走っただけなので、注目すべきはゴールドドリームではない。
注目すべきは3着に入った8番人気のユラノトだろう。
ユラノトの父はキングカメハメハ。
新鮮なときは混戦状態で芝・ダートともに内枠で馬群の中から差せる特徴を持つ。
芝向きの種牡馬は芝では内枠が良くても、砂を被るのを嫌がりダートでは外枠のほうが良いことも多いが、キングカメハメハはダートでも砂を被ったほうが良いので内枠が良い。
ユラノトの前走はそのパターンだった。
2走前はOPの弱い相手に人気以下の着順で疲労もなく、G3で強くなった相手に2番枠から2着に好走。
では今回はどうだろうか。
前走と同じ相手強化で2番枠というのはプラスだろう。
一番の問題は新鮮であるかどうか。
根岸Sのときと違い、今回は前走で人気以上に走り連対しているので疲れがたまっている可能性が高い。
また、1400~1600mを3連続で使っているので距離に対する鮮度も失われている。
まだ問題はある。
距離延長による体力不足。
インティ、サクセスエナジー、ノボバカラ、サンライズソアと前に行きたい馬が揃い、例年通りのハイペースが予想され疲労の影響が出ることが懸念される(疲労はハイペースになるほど、ごまかしが効かなくなる。)。
以上の理由から好走する可能性は低いとみて、重い印は打たなかった。
しかし、結果は戦前の予想を覆す前半3F35.8秒の超スローペース。
ユラノトは内枠からロスなく立ち回り距離延長による体力不足をカバー、超スローペースによって懸念された疲労の影響も出ることなく3着に好走。
初G1という新鮮さもあったのだろう。
このように、キングカメハメハ産駒の取捨選択は、新鮮であるかどうか、疲労がないかを確認することが大切である。